Facebookアプリの集客効果

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商用目的で開設できるFacebookページの最大の魅力は、ページに「いいね!」を押してくれたファンのニュースフィードに投稿が表示されることである。

ニュースフィードへの表示率は低下しているとはいえ、情報を瞬時に拡散できる可能性があるため、Facebookページを開設する企業や個人は、できるだけ多くのファンを獲得するために力を入れるのは当然といえる。

 インターネット上には、第三者がFacebookページの「いいね!」数を独自に集計したランキングがいくつか存在する。どのFacebookページが「いいね!」数を伸ばしているか、カテゴリー別に一目でわかる。ランキングを見ていると、ほとんど知られていない企業や、個人が立ち上げたと思われるFacebookページが驚異的なペースで「いいね!」を増やしているケースが少なくことに気づくだろう。そのようなケースでは、たいてい「いいね!」を獲得するためのツールとしてFacebookアプリが活用されている。

 Facebookページに設置できるアプリとしては、事業内容や代表者の理念などを示した「ウェルカムページ」や、「いいね!」を押してくれたファンだけに特別なコンテンツを表示する「ファンゲート」、簡単な手順でプレゼントに応募できる「懸賞」など様々な種類がある。アプリはPHPなどのプログラム言語で書かれていて、Facebookが提供するAPIと連携させることで、Facebook上で高度な機能を提供することも可能だ。たとえば、利用者の許可を得たうえでアプリがFacebookに登録されているメールアドレスの情報を取得して、アプリ管理者に送信することもできる。この仕組みを応用すれば、利用者は個人情報を一切入力することなく、メールマガジン登録や資料請求の手続きを完了できるため、登録率を高める効果が期待できる。

 2012年頃には、簡単な質問に回答すると、その場で相性や性格などの診断結果を表示してくれる診断系アプリが大流行した。「いいね!」を押さないと診断が開始されないファンゲート機能を兼ね備えており、さらに利用者が同意すれば、診断結果が利用者のウォールに画像付きで投稿される。診断アプリが登場した当初は、目新しさもあって気軽に試す人が多かった。そのブームに乗って、短期間に「いいね!」を30万以上獲得したFacebookページもある。

 2013年に入って、さすがに診断系アプリは飽きられるようになって、以前ほど「いいね!」は集められなくなっている。2013年後半からは、診断系アプリに代わって人気が出ているのが、雑学知識や興味深い話の続きが読みたい人に「いいね!」を押してもらう「続きを読ませる」系アプリである。機能だけを見るとファンゲートとあまり違わないが、アイデア次第で面白いアプリを量産できるため、中には大ヒットを記録するアプリも登場している。もちろん、ファンになってくれた人の対して、継続してどのような情報を発信していくかが重要だが、短期間で「いいね!」を大量に集める手段としてアプリは魅力的なツールであることは間違いない。