スパム行為排除に力を入れるFacebook

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Facebookは、ニュースフィードに優先表示する記事を決めるアルゴリズムを頻繁に変更することで知られているが、2014年8月にも大きなアップデートが実施された。主な変更は、リンク先の内容について十分な情報を提供せずに、ユーザーが続きを見るためにクリックを促すような大げさな見出しを付けたリンクを含む記事をニュースフィードから排除するというもの。大量にクリックがあったリンクについて、リンク先サイトの滞在時間やエンゲージメントを測定して、リンク先に遷移後すぐにFacebookに戻ってくるケースが多い場合などは、排除の対象になるという。
Facebookでの投稿は、すべての友達のニュースフィードに表示されるわけではなく、エンゲージメントの高い友達だけに表示され、その表示率は平均2割以下だと言われる。投稿の際に複数の写真をアップロードするとリーチ率が高くなるなど、いくつかのテクニックが知られていて、最近では画像や動画を添付する投稿が主流になりつつある。リーチ率を高めることに敏感なのは、外部サイトに誘導するURLを含んだ記事をできるだけ多くの人のニュースフィードに表示させたいからに他ならない。本来の目的を隠したまま、記載したURLを何とかクリックさせようとする宣伝目的の投稿が増えているのも事実である。Facebookとしては、利用者にとって有益な情報を提供するリンクは大歓迎だが、ニュースフィードが商売目的の投稿で埋まってしまうことを阻止したいと考えるのは当然だろう。

Facebookは、今回のアップデートとは別に、Facebookアプリのプラットフォームポリシーの改定も発表している。2014年11月15日以降は、FacebookアプリでFacebookページへの「いいね!」を奨励することは禁止される。たとえば、「いいね!」をした人だけが応募できるキャンペーンや懸賞の実施ができなくなるなど、現在使われているFacebookアプリの多くが新しいポリシーに抵触する可能性がある。もっとも、近年はアプリの利用を承認する際に、氏名やメールアドレスなどFacebookに登録してある個人情報を取得するアプリが蔓延しているため、それらのアプリを規制するという狙いの方が大きいのかもしれない。

これまでもFacebookは、個人情報を取得するアプリについては対策を講じてきた。取得する個人情報の取り扱いが明記されていないアプリは使用停止にしたり、不当にアプリで「いいね!」を増やしたと判定されたFacebookページは閉鎖されるケースもあった。しかし、この種のアプリが大きく減ったという印象はなく、今後もイタチごっこが続くと予想される。

一方、Twitterはフォローしていないアカウントのツイートであっても、人気があったり、関連性が高いと判断されたツイートをタイムラインに表示する機能を導入した。Twitterは、モバイル端末からの利用がメインとなっている点はFacebookと共通しているが、表示させる投稿をできるだけ減らそうとするFacebookとは対照的な方針を採用したことは興味深い。