集客に大きな効果を発揮するソーシャルメディア

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今年に入ってからもソーシャルメディアの利用者数は増加の一途を辿っている。先日、インプレスR&Dが発表した最新の調査結果によると、2012年5月時点での日本のソーシャルメディア利用者数は5060万人となり、5000万人を突破したことがわかった。ちょうど1年前の同じ調査では3530万人だったことから、この1年間で1530万人増加した計算になる。その牽引役となっているのは、言うまでもなくFacebookだ。

ネットレイティングスによると、2012年5月の国内Facebookサイト訪問者数は前年同月比約2.1倍の1724万人と急増している。しかし、これだけサイト訪問者数が急増しても、日本のインターネット利用者全体に対する到達率は29.1%にとどまっている。ブラジルやイタリアでは70%を超えているほか、アメリカ、イギリス、フランスなどの主要国でも70%に近い。日本ではFacebookに先駆けて普及したTwitterの到達率がアメリカなどより高いという事情はあるものの、Facebookの到達率がまだ大きく伸びる余地のあることは間違いないだろう。

これだけソーシャルメディア利用者数が増えてくると、企業にとってソーシャルメディアは非常に魅力的なメディアに映る。特にB2Cの業態では、自社のWebサイトへの誘導やブランドイメージ向上などの目的でソーシャルメディアに専用ページやアカウントを開設する企業が増えている。先進的な企業では、FacebookページやTwitterアカウント、YouTube公式チャンネルなどはあたり前、最近では画像SNSとして急成長しているPinterestのブランドページや、スマートフォン通話アプリLINEの公式アカウントなど、積極的にソーシャルメディアを活用している。

Facebookページにおいては、「いいね!」の獲得数を競う風潮まで生まれてきている。たしかに、「いいね!」を押してもらった人のニュースフィードには新着情報を配信できるため、「いいね!」の数が増えれば増えるほど告知効果は高まる。Twitterのフォローと同様にワンクリックで操作が完了するので、利用者にも負担をかけずに緩やかに囲い込める点が魅力だ。獲得できた「いいね!」の数1件あたりいくらという成功報酬ベースのキャンペーン代行ビジネスも登場している。

Facebookページを運営するからには「いいね!」の数が多く獲得できれば理想的だし、「いいね!」の数を短期間で増やすためのキャンペーンの効果を否定するつもりはないが、「いいね!」を多く集めることが目的になってしまっている例も散見されるようになった。「いいね!」が多く集まるということは、集客の点では成功したといえる。しかし、その時点ではパーミッションをもらっただけであり、見込み客が獲得できたわけではないということを忘れてはならない。