メールマガジンを活性化する工夫

0
997

メールマガジンは、見込み客育成の手段として、最も広く使われている手法の一つである。購読者の受信箱に直接メッセージを届けられるメールマガジンは、非常に強力なマーケティングツールであることは間違いない。だが、企業が発行するメールマガジンの数が増えて、メールマガジンの開封率、精読率は低下の一途を辿っているのも事実である。

 メールマガジンの効果測定としては、メール本文のURLがクリックされたかどうかを追跡する方法が一般的だが、実際に測定してみると、あまりに低いクリック率にガッカリすることも多い。長く発行しているメールマガジンでは、毎回配信する文面もマンネリ化しがちで、時間の経過と共にクリック率が低下するのは仕方ないことだ。しかし、一度読まれなくなってしまうと、キャンペーンや新製品発売などの重要な告知も相手に届かなくなってしまう。メールマガジンをできるだけ読んでもらうよう工夫を続けることが重要だ。

 メールマガジンの反応率が低下する大きな理由は、購読者のプロフィールの多様化。メールマガジンは、希望者が好きなタイミングで参加できるのが基本なので、常に「最近登録したばかりの人」と「登録してかなり時間が経過している人」が混在する。ECサイトの場合、同じメールマガジンの購読者リストに、常連客と初回購入客と未購入客が混在していると、どうしても差しさわりのない内容になってしまう。では、現状の発行体制を維持しつつ、メールマガジンをできるだけ活性化するにはどうすればいいだろうか?ここでは、2つの方法を考えてみたい。

 まず考えられる方法は、簡単な差込機能を使い、購読者の属性に応じてメールマガジンの文面をパーソナライズすることである。メールマガジンの本文をパーツに分割して、購読者によって組み合わせを変える、というイメージである。難しそうに聞こえるかもしれないが、メール配信専用ソフトを使うと案外簡単にパーソナライズできる。簡単な例で説明すると、購読者を「商品A購入客」、「商品A以外の商品購入客」、「未購入客」の3つに分類する。商品Aをすでに購入している客には「商品Bを30%オフで提供」、未購入客には「初回注文に限り全品10%オフで提供」など、あからじめ設定した文章が挿入されるように設定すればいい。ちょっとした工夫で、「毎回、自分にピッタリのお得情報が掲載されている」と思ってもらえるようになる。

 もう一つの方法は、ステップメールを活用して、関心のあるテーマの「号外」を希望者に配信する方法である。上級者向けやマニアックな話題については、毎回取りあげるとメールマガジン解除率が高くなる。そのような記事については、あらかじめ数回の記事を用意しておいて、文中のURLをクリックするだけでステップメールが配信されるようにしておく。ステップメールの基本的な仕組みについては割愛するが、メールマガジン発行ASPにはステップメール配信機能が搭載されているものも増えているので、通常発行のメールマガジンにメリハリをつけるためにも、購読者の興味を調査するためにも、ぜひステップメールを活用してみてはどうだろうか。