メールマガジンやメールDMの開封率

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LINEが企業向けに公式アカウントの提供を開始したのは2012年6月のこと。それから1年2ヶ月後、2013年8月にローソンの公式アカウントの友だち数が初めて1000万人を突破した。LINEにおける「友だち」は、企業側に一切個人情報を伝えることなく簡単な操作でなれるので、Facebookページの「いいね!」やTwitterのフォローに近いものといえる。LINEが公表している媒体資料によると、2013年8月現在、企業の公式アカウントの平均友だち数は350万人に達している。

 LINE公式アカウントの最大の魅力は、友だちあてに一斉配信できるメッセージだ。LINEには、メッセージが届くとポップアップ画面で知らせてくれるプッシュ通知という機能があり、メッセージの開封率は高い。個々の開封率は公表されていないが、企業が配信するメッセージの開封率は6割を超えると言われている。

「6割の開封率」が魅力的に感じる背景には、メールマガジンやメールDMの開封率が低いことがあげられる。市場調査会社eMarketerは、アメリカにおけるメールマガジンの開封率を四半期ごとに調査しているが、開封率はおおむね25%となっている。日本でも同様な調査が行われているが、どのようなメールを調査対象にするかによって数値は大きく変動し、一般的に営業色の強いメールの開封率は15~25%が平均のようだ。

 開封率調査を実施するとわかるが、同じメールマガジンであっても配信するメールによって開封率が大きく変動する。もちろん開封前にメールの内容は見えないから、開封するかどうかを決めるのは「件名」である。極端な例では、件名の書き方によって、同じリストに配信したメールであっても、開封率は10%から50%くらい差が出る。不適切な件名をつけるだけで、メールの効果が1/5に減ってしまう可能性もあるわけだ。

 会員登録などリストを取得するためのランディングページでは、登録率を上げるためにスプリット・ラン・テストを行うことが常識になりつつある。スプリット・ラン・テストとは、スプリットテスト、あるいはA/Bテストとも呼ばれている手法で、複数用意したページにランダムで同じ数のアクセスを流して、どちらのページの登録率が高いかを調べるものだ。Googleが無料で提供しているアクセス分析ツール「Google Analytics」でも、スプリット・ラン・テストを行うための機能が搭載されている。

 同じ考え方をメールマガジンやメールDMの件名テストに応用すべきだろう。たとえば、メールDMを2000通配信する場合、件名の候補を4つ絞り込んで、それぞれ100通にメールを配信して開封率をテストする。そのテストで一番開封率の高かった件名を使って残り1600通にメールを配信すれば、最も高い開封率が期待できる。