気になるメールマガジンの到達率

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近年、メールマガジンの反応が悪くなったという話をよく耳にする。メールマガジンの内容がマンネリ化してしまい、次第に読まれなくなるのは仕方ないことかもしれない。しかし、受信者のメールボックスに届く「到達率」が明らかに下がってきていると言われている。メールマガジン配信機能を提供するASPも、到達率を高めるために様々な手を打っているものの、発行する企業に「メールマガジンが届いていない」という問い合わせは増える一方である。メールマガジンが受信者に届かなければ、開封されることもないし、クリックされることもない。到達率の低下は、メールマーケティングを行う企業にとって、非常に気になる現象であることは間違いない。

メールが届かない理由としては、主に次の2つが考えられる。まず、受信者が利用しているメールサーバが何らかの理由で「迷惑メール」と判断して、受信者のメールボックスに配達しないケース。もう一つが、受信者のメールボックスに配達されたものの、利用しているメールソフトやセキュリティソフトが迷惑メールと判断して、自動的に迷惑メールボックスに振り分けてしまうケースである。後者の場合、利用者のメールボックスにはいったん配達されているため、厳密には到達していると表現できるかもしれない。ただし、受信者が迷惑メールボックスの中を探さない限り受信したことはわからないので、実質的には到達していないのと同じである。

いずれの場合も、共通しているのは迷惑メールと判断されると届かないという点だ。メールサーバやメールソフトが迷惑メールだと一度判定してしまうと、同じ発行者からのメールマガジンが次回以降も迷惑メールと判定される可能性が高くなる。迷惑メールと判定する「フィルター」の基準が厳しくなっていることが、メールの到達率の低下に大きく影響していると推測される。

では、フィルターは何をもって迷惑メールかどうかを判断しているのだろうか?メールマガジン配信ASPの運営企業によると、迷惑メールを判定する要素としては、配信するメールサーバのIPアドレス、本文記載のURLのドメイン名、URLの数、件名や本文に含まれるNGワードなどのウエイトが高い。しかし、一番マイナスポイントが大きいのは、受信者に「これは迷惑メール」と申告されることである。価値のない内容や、宣伝色の強いメールマガジンを頻繁に配信すると迷惑メール申告が増え、メールサーバのIPアドレスが、「迷惑メールの配信によく使われるIPアドレス」と認識されてしまう。結果として、メールが他の人にも届きにくくなり、さらに効果が落ちるという悪循環に陥る。セキュリティソフトなどに付属の迷惑メールフィルターソフトに一度定義されてしまうと解除されない限り二度とリーチできないと言うことは言うまでも無い。

メール到達率の問題が難しいのは、採用されているフィルターがメールサーバやメールソフトによって異なるため、誰に届かないのか、事前に予想することも、配信後に確認することもできないことである。ただ、発行者側で打つ手がないというわけではない。
メールマガジンの原稿を入力すると、迷惑メールと判定されるかどうかを採点してくれるツールを提供しているメールマガジン配信ASPもある。迷惑メール判定の基準が比較的厳しいGmailあてにテスト配信してみて、Gmailが迷惑メールと判定しないかどうかを事前にチェックする方法も有効だろう。しかし、最も効果のある対策は、受信者に読んで満足してもらえる、質の高いコンテンツの配信であることを忘れてはならない。