急成長する新興ソーシャルメディアの共通点

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今年に入ってからもFacebookの快進撃が続いている。今年3月末時点のFacebook利用者数は、前年同月比33%増の9億100万人と9億人を超えた。5月18日には、アメリカのナスダック市場に上場を果たしたことで、今後も知名度はますます上昇し、利用者数が10億人の大台に乗るのも時間の問題だろう。

Facebookが注目され始めた数年前から、新しいソーシャルメディアが毎日のように誕生している。その中から、デビューするや短期間に100万人単位の利用者を集め、一気に有名になったソーシャルメディアも数多い。急成長を果たした新興ソーシャルメディアのビジネスモデルを観察すると、いくつかの共通点があることに気づく。

まず一つ目の共通点は、FacebookやTwitterのアカウントで参加できる点だ。Facebookアカウントがなくても新規登録できるが、Facebookアカウントがあればクリックするだけで会員登録が完了する。利用者にとっては手間がかからないし、運営会社にもFacebookに登録されている実名とメールアドレスを会員情報として取り込めるという大きなメリットがある。

二つ目の共通点としては、モバイルファーストの考え方を取り入れて、スマートフォン専用アプリの開発に力を入れていることである。PC向けサイトだけの時には参加者がなかなか増えなかったものの、スマートフォン向けアプリをリリースした直後に一気にブレイクしたソーシャルメディアも珍しくない。

そして、三つ目の共通点が、コマース機能を上手に組み込んでいる点。ソーシャルメディア内で気に入った商品が見つかれば、その商品を自分で購入したり、友達にギフトとして贈れたり、ショッピングサイトとしての機能が備わっている。アメリカでは、自分が紹介した商品が提携ショッピングサイトで売れたら、売上金額の一部をコミッションとしてもらえる仕組みを提供しているソーシャルメディアも登場している。

日本で急成長している「iQon(アイコン)」は、提携している40以上のファッションECサイトの商品画像約40万店を使って、Web上で自由にコーディネートできる会員制ソーシャルメディアだが、気に入ったアイテムが見つかれば、画像をクリックして購入できるのが「ウリ」である。2012年3月には、ファッション感度の高い20~30代女性を中心に月間訪問者数が100万人を突破した。特に、iPhone用アプリをリリースした2012年2月以降に訪問者数が急増している。
ソーシャルメディアにおける人間関係を活かして行われる商品の販売やECサイトへの誘導を行う「ソーシャルコマース」が大きなビジネスチャンスになりつつある。