Googleマップは巨大な企業データベース

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企業にとっては、Googleマップの無料サービスでも十分に利用価値がある。GoogleマップのAPIを使って自社サイトにGoogleマップのデータを表示させることも可能だし、MEO(Map Engine Optimization)の回でも触れたように、Googleプレイスに自社の情報を登録するだけで、Webサイトへの集客効果を得ることもできる。GoogleマップのAPIは表示回数が増えれば有料になるものの、普通に自社サイトに使う分についてはほぼ無料で利用できる。

企業がビジネスでGoogleマップを使う方法はこのくらいと思われがちだが、実は多くの企業にとって価値のある使い方がある。Googleマップを企業のデータベース、もっと直接的に表現すれば、新規の取引先候補企業のデータベースとして活用する方法である。Googleマップに登録されているのは、飲食店や小売店の情報がメインだと思ってる人もいるかもしれない。しかし、Googleマップは、ありとあらゆる業種の企業の情報を検索できるのである。

インターネット上で自由に利用できる企業や店舗のデータベースといえば、iタウンページを連想するも多いだろう。iタウンページには全国で推定600万社以上の企業や店舗の情報が登録されていて、インターネットで誰でも閲覧できる。ダイレクトマーケティングを実施している企業の中には、iタウンページのデータを効率よく収集できるツールを使って、新規開拓の営業リストとして活用しているところも少なくない。

インターネット上で公開されているデータをクローラーで収集する技術ではGoogleの右に出る者はいない。Googleマップでは、iタウンページはもちろん、インターネット上のあらゆるWebサイトから収集した企業情報をデータベース化して活用している。Googleマップは、あくまでも地図上に掲載することが前提なので、住所が明確な企業のデータしか使わない。その点、iタウンページに掲載されているデータは、Googleからみれば住所のはっきりしている優良データである。必然的に、iタウンページの企業情報は、ほぼ完全な形でGoogleマップにも反映されることになる。
 
要するに、Googleマップには、自主的にGoogleプレイスに登録した企業に加え、iタウンページに掲載されている企業やGoogleがインターネットを巡回して見つけた企業の情報が掲載されている。しかも、自主的にGoogleプレイスに登録する企業やWebサイト巡回で収集された企業の情報については、URLの掲載率も高い。これだけ充実した企業データベースを無料で閲覧できるのだから、企業や店舗を対象に製品やサービスを提供している企業なら、活用しないのはもったいないという他ない。