ヤフーは3月19日、スマートフォンでの検索に特化したiPhoneアプリ「SmartSearch(スマートサーチ)」を先着1万人に対して限定公開した。ヤフーによると、SmartSearchは独自に一から開発した新しい検索アプリ。まずは、1万人に使ってもらってフィードバックを受け付け、要望や意見を反映させて4月以降に正式版をリリースする予定だ。早速、AppStoreからダウンロードして使ってみたが、これまでの検索アプリと比べると、「検索は探すから見つかるへ!」をキャッチフレーズにしているだけあって、検索結果の見え方がかなり違う。
SmartSearchでは、キーワードを入力すると関連する画像やニュース、「NAVERまとめ」の記事リンクなどが表示される。キーワードがニッチだと、ウェブしか表示されないが、そのウェブの検索結果も、通常のブラウザからの検索とは大きく異なる。まず上位2サイトのタイトルとトップページのスクリーンショットが表示され、「もっとみる」をタップすると同様にタイトルとスクリーンショットがタイル状に表示される。反面、タイトル以外の文章は表示されない。
表示される順位はもちろん重要であるが、検索結果ではスクリーンショットのインパクトが大きい。縮小されて表示されるので、トップページのキャッチコピーが鮮明に表示されることは期待しづらいが、スクリーンショットを見るとリンク先のサイトがスマートフォンに最適化されているかどうかはわかる。たとえ上位に表示されても、スマートフォンでは読みづらいサイトと判断されると、タップされにくくなることは容易に想像できる。
ヤフーがスマートフォン検索に力を入れるのは、「eコマース革命」で出店料を無料化したYahoo!ショッピングやヤフオク!にスマートフォン利用者を呼び込みたい狙いもあるのではないかと推測される。今後は、バージョンアップの過程で商品検索機能が充実してくると予想する。また、ビッグワードで検索した場合、PC版のYahoo!検索以上に「NAVERまとめ」の記事が目立つ形になっている点も見逃せない。今後、SmartSearchが普及すれば、スマートフォン集客におけるNAVERまとめの影響力はますます大きくなるだろう。スマートフォン向けのSEO手法が大きく変わってしまう可能性もある。いずれにしても、ヤフーのスマートフォン利用者に向けた今後の取り組みに注目したい。
4月以降にAndroidアプリやiPadアプリも正式にリリースされる見込みだが、先着1万人への配布が短期間で達成されたことから、注目度は決して低くない。もっとも、SmartSearchのコンセプトがスマートフォン利用者に受け入れられるかどうかはまだ不透明だ。新しいコンセプトだけに慣れないと使いにくいためか、アプリのレビューでは評価が大きく割れている。