ニュースキュレーションアプリの集客力に注目

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2014年に入って、ニュースアプリのダウンロード数が伸びている。ニュースアプリの代表的存在ともいえる「SmartNews」は、2012年12月にリリースされて以来、順調にダウンロード数を伸ばし、2014年2月には累計300万ダウンロードを達成した。一方、「グノシー」は、2014年3月中旬からテレビCMを開始したのをきっかけに一気にダウンロードを増やし、6月末には400万ダウンロードに達する見込みだという。
この2つ以外にも、「LINE NEWS」、「NewsPicks」、「vingow news」、「Kamelio」など数多くのニュースアプリが登場して、それぞれファンを獲得している。

これらのニュースアプリは、新聞社や通信社が配信するニュースだけでなく、ユーザーの興味を独自のアルゴリズムで解析して、ソーシャルメディア上で話題になっているページなどもピックアップしてくれるのが特徴だ。その機能から、キュレーションアプリ、あるいはニュースキュレーションアプリなどとも呼ばれている。どのようなニュースにウェイトを置くかは、アプリによって異なる。たとえば、SmartNewsでは、Twitter上でクチコミとして拡散したニュースや記事が重視される。URLを含んだツイートを毎日1000万件以上収集して、どんなニュースがクチコミで広がっているかを解析して、注目度などを判定しているそうだ。

以前は、記事が「はてなブックマーク」のホットエントリーに表示されると、自社サイトへのアクセスが増えると言われてきたが、最近では、これらのニュースキュレーションアプリの集客力に注目が集まっている。昨年あたりは、グノシーで記事が取り上げられると、その瞬間から急激にアクセス数が増えるので、その現象は「グノシー砲」と表現されたりもした。今年のリニューアルでグノシーからのアクセス誘導効果は落ち着いてきているが、それでもグノシーなどのニュースキュレーションアプリで紹介されることを意識したコンテンツ作りは、いろいろな面で有効な施策と言える。

最近、アクセス誘導効果が高いと注目されているのがNewsPicksだ。NewsPicksは2013年9月にスタートした、企業が発表している公式情報などから経済情報の収集に特化したアプリ。現在のユーザー数は非公開だが、運営会社によると2014年1月から5月末までの5ヶ月間で約4倍に急増している。NewsPicksの特徴は、各業界の著名人をフォローすることで、彼らが注目するニュースとそれに対するコメントがタイムラインに流れてくるようになること。つまり、ニュースだけでなく、そのニュース対する専門家のコメントも一緒に読むことができ、従来のニュースサイトよりむしろソーシャルメディアに近い感じだ。

NewsPicksには、ソーシャルブックマークのように、気に入った記事を「Pick」できるようになっていて、そのPick数のランキングが上位にくると、NewsPicks内の著名人や専門家の目に留まり、彼らがPickすることでさらに目立つ仕組みになっている。いわば、これらのニュースキュレーションアプリは、ネットでのクチコミ拡散を増幅させる装置として機能しつつある。