2014年に入ってからもスマートフォンの出荷台数は大きく伸びている。市場調査会社Strategy Analyticsの最新調査結果によると、2014年第1四半期の世界スマートフォン出荷台数は前年同期比33%増の2億8500万台となった。MM総研の調査によると、日本における携帯端末におけるスマートフォンのシェアは2014年3月末時点で39.8%とほぼ4割に達している。契約ベースでは、フィーチャーフォンが44.9%と依然優勢だが、近いうちにスマートフォンに逆転されることは確実だろう。
スマートフォンの普及率が注目される理由の一つは、フィーチャーフォンやパソコンに比べて利用時間が長く、利用者のライフスタイルにも大きく影響しているためだ。ニールセンが国内のスマートフォン利用者を対象に、家庭からのインターネット利用状況を調査したところ、2013年12月の1日あたりの平均利用時間はパソコンが33分なのに対して、スマートフォンは1時間23分だったことが判明した。スマートフォン利用時間の内訳をみると、ソーシャルネットワーク23%、ゲーム15%、その他のコミュニケーション12%などとなっている。
1日平均1時間23分は長いように思うかもしれないが、実はアメリカの方がさらに長い。モバイルのデータ解析を専門に行うFlurryが行った調査では、アメリカの消費者は2014年3月の時点で1日平均2時間42分をモバイル端末利用に費やしているという。内訳は、ゲーム32%、Facebook 17%、YouTube 4%などとなっている。一般には日本人の方がネットゲーム好きと思われているが、モバイル端末の利用時間に占めるゲームの比率はアメリカの方が明らかに高い。利用時間で比較すると、日本人にくらべ約4倍の時間をゲームに費やしている計算になる。
Flurryでは、Webとアプリの利用時間の比率についても調査しているが、アプリは昨年調査にくらべて6ポイント増の86%、Webは逆に6ポイント減の14%となり、アプリとWebの差がさらに開いた。スマートフォンが普及をし始めた頃、盛んにWebとアプリでは今後どっちが主流になるかという議論が行われた。Flurryのデータを見る限り、アプリが主流の座を確保したと言えるだろう。むしろ、利用者にとっては、ブラウザはアプリの一つという認識に近いのかもしれない。日本のデータとしては、2013年5月発表とやや古いが、ニールセンが実施した調査によると、スマートフォンでのアプリ利用時間はWeb訪問時間の約2倍だった。
アプリ専門の調査会社App Annieによると、2013年10月のモバイル向けアプリの販売額は、日本がアメリカを約10%上回り世界一となった。日本のアプリ販売額の約9割はゲームで、うちガンホーやLINE、コロプラなど国内大手5社が約2/3を占めている。日本のスマートフォン利用者は、無料のSNSに時間を費やし、ゲームにお金を使うという傾向が見てとれる。