アプリストアとして影響力を増すGoogle Play

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IDCが発表した世界のスマートフォン出荷台数に関する調査結果によると、2014年の総出荷台数は前年比27.7%増の13億40万台となった。OSの出荷台数シェアは、Androidが81.5%、iOSが14.8%と、世界的にはAndroidが大きなシェアを占めていることがわかる。2014年はiPhone6が発売されたこともあり、iOSの出荷台数は前年比25.6%増と好調だったが、Androidはそれを上回る前年比32.0%増と勢いが止まらない。iPhoneの端末は比較的高価なため、新興国では廉価なAndroid端末が勢力を拡大しているという背景がある。

調査会社 Kantar Worldpanelが、主要国におけるスマートフォンのOS別シェアを定期的に調査している。2014年8月から10月までの3ヶ月平均のデータが公表されているが、それによると、日本のiOSのシェアは48.0%と、調査対象国の中では最も比率が高い。iOSのシェアが高い国としては、アメリカ(41.5%)、オーストラリア(40.4%)、イギリス(39.5%)などである。よく日本はドイツと国民性が似ていると言われるが、ことスマートフォンに関しては、ドイツでのiOSのシェアは16.9%で、日本とは事情が大きく異なっている。日本におけるiOSのシェアは、2013年には6割を超えていて、世界でも突出して高かった。2014年に入って日本ではAndroidがiOSのシェアを大きく奪った形だ。ちなみに、他の主要国では2014年のiOSのシェアは1年前に比べて上昇している。これも2014年に発売されたiPhone6の影響と思われる。

 日本におけるシェアはiOSとAndroidがほぼ並んだが、オンラインショッピングや電子書籍などデジタルコンテンツの販売額などビジネス面ではiOSが優勢を維持している。Googleアナリティクスを設置しているサイトでは、OS別のアクセス件数を把握できるが、ウェブサイトへのアクセスでもiOSが大きくリードしている。iPhoneを使う人は、情報収集や商品購入に積極的であり、Android端末を利用する人は、ゲームに費やす時間が多いというデータもある。Googleが運営するアプリストア「Google Play」の売上の90%はゲームアプリが占めている。また、Google Playの売上は、本拠地アメリカを押さえて日本が世界最大である。日本人がいかにスマートフォンゲーム好きであるかを示すデータと言える。

 アプリストアとしては、Google Playと、Appleの運営する「AppStore」が二大勢力を誇っているが、App Annieの統計によると、ダウンロード数自体はGoogle Playの方が約5割近く多いものの、売上では逆にAppStoreの方がGoogle Playより8割以上も多い。しかし、売上の差は徐々に縮まっており、Mobile World Liveの予想では、2016年にはGoogle PlayがAppStoreに追いつくだろうと予想している。現に、ドイツでは2015年1月にGoogle Playの売上がAppStoreを抜いた。前述の通り、ドイツではiOSのシェアが16.9%と低いことも大きな要因ではあるが、そんなドイツでも数年前まではAppStoreの売上の方が圧倒的多かったことを考えると、Google Playの影響力が急速に増していることがわかる。今後は、iOSのシェアが高い日本でも、スマートフォンアプリのAndroid版開発の重要性が増していくだろう。