Googleがモバイル検索で「スマホ対応」を重視へ

0
1013

Googleがスマートフォン対応度をモバイル検索の結果順位の判断基準に加えると発表したことは、業界でも大きな話題になっているので、すでにご存じの方も多いだろう。Googleは、これまでPC向けサイトをインデックスして独自のアルゴリズムで検索結果の表示順位を決め、基本的にその順位をモバイル検索にも適用する方針を維持してきた。新しいアルゴリズムの適用は、2015年4月21日から全言語で一斉に実施される。過去の大きなアルゴリズム変更では、まず英語圏など一部で先行して適用するパターンが多かったが、今回は全世界一斉に適用されることからもGoogleのモバイル検索の改善に対する強い意気込みが感じられる。

 これまでGoogleの動きを観察していれば、今回の発表はある程度予想がついたかもしれない。Googleは、2011年以降、ウェブサイトのスマートフォン対応を推奨していて、2011年12月にはスマートフォンのUAを持つクローラを導入するなど、モバイル検索の改善について準備を慎重に進めてきたと思われるからだ。直前の兆候としては、2014年11月にGoogleのモバイル検索の結果ページにおいて、スマホ対応しているサイトには「Mobile-Friendly」というラベルを表示する機能が正式導入された。日本のモバイル検索では、ラベルは「スマホ対応」という表現になっている。

 今回の発表により、2015年4月21日からウェブサイトのスマートフォン対応度が順位に影響することが確定した。具体的には、「スマホ対応」のラベルがないサイトは、モバイル検索の順位が落ちることになる。その順位変動がどの程度になるのかは、当日になってみないとわからない。ただし、アルゴリズム変更を約2ヶ月前に予告するということは、今回の変更が与える影響が大きいことを示唆している。公式ブログでも、「検索結果に大きなインパクトを与える」という表現が使われており、モバイル検索における順位が大きく変動する可能性もある。

 Googleの発表を言葉通り受け取るなら、今回のアルゴリズム変更で順位に影響するのは「スマホ対応」ラベルの有無だけであり、それ以外の要素は判断の材料にならない。どんな条件をクリアすればラベルをもらえるかについても公表されていて、正直なところ、その難易度は決して高くない。普通にスマートフォン向けサイトとして制作されたページであれば、ほぼ問題なくラベルを取得できるはずだ。

 公式情報を整理すると、「スマホ対応」ラベルの付与はリアルタイムで行われる。クローラが読み込めば、ほぼ自動的にスマートフォン対応しているかどうかが判断され、合格したサイトには即時ラベルが付与されるような仕組みになっているものと思われる。判断するのはサイト全体でなく、ページ単位になる。もし、サイト全体のスマートフォン対応が間に合わなくても、トップページのほかに求人情報や施設へのアクセス情報など一部のページを対応させるだけでも、今回のアルゴリズム変更への対策としては、ある程度有効ということになる。可能であれば、アルゴリズム変更が適用される前に、すべてのページで「スマホ対応」のラベルを獲得しておくことが望まれる。