続々登場する新トップレベルドメイン名

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2013年10月以降、新しいトップレベルドメイン名が続々登場している。トップレベルドメイン名とは、infocrest.co.jp であれば一番右にあたる「.jp」の部分のこと。日本の「jp」のようにアルファベット2文字で国を表す国別トップレベルドメイン名(ccTLD)と、「.com」や「.net」などの分野別トップレベルドメイン名(gTLD)に大きく分類できる。一時期有名になった「.tv」は、南太平洋の島国・ツバルの国別トップレベルドメイン名である。
 最近急増しているのは、分野別トップレベルドメイン名(gTLD)の方で、「.tokyo」や「.nagoya」、「.email」、「.ninja」など実に様々な文字列がトップレベルドメイン名として登場している。多言語にも対応していて、日本語の「.みんな」というgTLDまで登録されている。
 これは、2008年6月にドメイン名を管理する非営利団体ICANNの理事会において、TLD導入のルールを大幅に自由化する案が承認されたことによるもので、その第一弾として2012年1月から新しいgTLDの申請の受付が開始されたところ、実に1930件の申請が全世界から寄せられた。承認されたgTLDは、2013年10月からレジストリに委託が開始されたが、今後約1400種類のgTLDが追加される見込みであるという。従来、gTLDは「.com」や「.net」など、わずか22種類だけしかなかったことを考えると、一気に種類が増えることになる。

 すでに登録が完了しているgTLDの一覧表はICANNのWebサイトに公開されているが、前述の「.email」以外にも、「.marketing」や「.social」など、ドメイン名として使えばSEO的にも効果が期待できそうなgTLDもあり、実際に企業が新しいgTLDをどのように活用していくかが注目される。「.com」や「.jp」では希望していた文字列のドメイン名を取得できなかった企業にとって、新しいgTLDなら希望の文字列を取得できるチャンスも出てくる。新しいgTLDを使えば、ドメイン名全体で意味のある言葉にできる組み合わせも増える。集客用のサイトや期間限定のイベントサイトなどでは、どんなgTLDを採用するかも、サイト企画の一部として重要性が増すだろう。

 ただし、新しいgTLDがWebサイトのURLにどれだけ使われるようになるかについては、意見の分かれるところだ。過去にも、「.info」や「.biz」などの新しいgTLDが登場した際には、それなりに注目されたが、これらのgTLDを採用したWebサイトは思ったほど増えなかった。見慣れないgTLDを採用することによるデメリットに慎重になる企業が多いためかもしれない。WebサイトのURLだけならタイプミスによる実害はほとんどないが、メールアドレスにも新gTLDを採用する場合は、送信者の記憶違いによる誤送信の発生も考慮しなければならない。そう考えると、gTLDの種類が増えれば増えるほど、デフォルトともいうべき「.com」や「.jp」ドメイン名の価値が相対的に上がるという見方もできるかもしれない。