意外に大きかったPanda Update 4.0の影響

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2015年5月20日、Googleのマット・カッツ氏は、「Panda Update 4.0」によるアルゴリズムの更新を開始したことを明らかにした。Panda Updateとは、低品質なコンテンツが検索結果上位に表示されないようにするアルゴリズムの変更のことを指す。最初のPanda Updateが2011年2月に実施されて以来、ほぼ毎月のように細かな更新は行われてきたが、更新が行われたことを発表するのは、比較的大きな変更が加えられた時に限られる。
今回は、カッツ氏がわざわざ「4.0」というメジャーバージョンアップを連想させる数字まで付け加えたことから、発表と同時に大きな注目を集めた。

Googleの公式発表によると、今回の変更によって影響を受けるのはクエリ全体の7.5%程度とのことで、この数字だけを見ると、さほど大規模な変更ではないようにも思える。しかし、英語圏では、Panda Update 4.0前後から、いくつかの有力サイトの順位が大きく下がったと、ちょっとした騒ぎになっている。その中でも、目に見えて影響を受けたのが、オークションサイトとしてアメリカでは圧倒的なシェアを誇っているeBayである。eBayの商品ページは、Googleの検索結果で上位に表示されやすいことが大きな特徴だったが、Panda Update 4.0の実施前後から一気に表示されにくくなってしまった。

ただし、eBayの商品ページが順位を大きく落とした原因がPanda Update 4.0と断定するには早計かもしれない。アルゴリズム変更直後は順位が安定しない場合もあるし、過去にも、アップデートのタイミングで順位が大きく変動したものの、実際にはアルゴリズムの更新とは全く関係がなかったと判明した事例もある。

前述のように、Googleは検索エンジンの品質向上のため、毎月のように細かなアップデートを行っている。有名なPandaやPenguinだけでなく、アップデートにも様々な種類がある。今回、eBayの順位にも多少影響を与えたかもしれないと思われるアップデートが、ちょうど同じ時期に行われたこともわかっている。そのアップデートは、業界では「Payday Loan Update」と呼ばれている。Payday Loanとは、「即日ローン」という意味で、PPC広告のクリック単価が高く、オーガニック検索でもスパム的なサイトが上位を占める競争が激しいホットワードのことを指す。日本語だと、「キャッシング」や「ダイエット」などの類がこれに相当するだろうか。つまり、Payday Loan Updateとは、スパム的なサイトが表示されやすいキーワードに重点をおいてスパム行為を排除するためのアルゴリズム変更のことである。

Googleがスパムと判断するコンテンツが、一概に価値がないとは言えない。しかし、Pandaにしても、Penguinにしても、Payday Loanにしても、Googleの基本方針は一貫している。情報を検索する人が、本当に求めている情報を提供しているサイトを上位に提供することである。SEOのテクニックとしては様々な手法が知られているが、やはり質の高いコンテンツを継続して提供していくことが王道であることを肝に銘じておきたい。